投稿者「弓塲 啓司」のアーカイブ

弓塲 啓司 について

1992年に公認会計士2次試験(当時)に合格してから監査業界に入りましたが、この業界に入ってからすぐに監査先からデータを入手して監査手続を実施するというコンピュータ利用監査技法( Computer Assisted Audit Techniques = CAATs )に携わり始めて現在に至ります。AI時代にも監査人としての仕事ができるよう、CAATsを実務で活用できる監査人を増やしていくために、一般社団法人 国際コンピュータ利用監査教育協会(ICAEA JAPAN)を立ち上げました。当BlogでもCAATsに有用な情報を提供してまいります。

CAATsとFinTechについて

皆さん、こんにちは。

今回は、最近、話題になっているFinTechについて、CAATsとの関連性に関する考察をお伝えしたいと思います。

FinTech(フィンテック)とは、金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた造語で、金融サービスと情報技術を結びつけたさまざまな革新的な動きを指します(☆)。

FinTechは、私達の生活に身近な存在になってきています。例えば、複数の銀行口座やクレジットカード口座などを一つのスマホアプリで一元管理できる家計簿サービスや、お店で物を買ったり食事をしたりした際のお会計時に、iPadやiPhone等でクレジットカード決済ができる決済サービス、社会的に意義があるような取り組みにネットを通じてお金を集めるクラウドファンディング、スマホのアプリからお金を送れる送金サービス、投資のアドバイスをAIで行うロボアドバイザー等です。これまでは、『お金』にまつわるサービスは、銀行をはじめとした金融機関が担ってきましたが、Fintechでは金融機関のそれぞれが情報技術の活用によって、自社のサービスを提供するのではなく、複数の金融機関のサービスを横断的に利用してサービスを提供する形態が多く、サービス提供者も金融機関というよりもIT企業が主体になっています。

今後、金融サービスに関わらず、各種のサービスは情報技術を活用してますます多様化し、ビジネスモデルも多様化してくるでしょう。これに伴い、監査人にも多様化したビジネスモデルに対応した監査を実施することが求められてきます。しかし、新しいビジネスモデルが生まれても、また、ビジネスモデルがどのように多様化しようとも、それぞれのビジネス遂行にコンピュータシステムを活用する限り、CAATsという視点からすると、すべきことは本質的には変わりません。これは、どんなに複雑なビジネスモデルであっても、コンピュータシステムの本質的な要素には『入力→データ→出力』という3つの要素しかないからです(下図参照)。

(一般社団法人 国際コンピュータ利用監査教育協会主催『ICCP試験対策講座』教材より引用)

つまり、ビジネスモデルを観察し、『入力→データ→出力』という視点で情報を整理してデータを特定し、データ相互間の整合性やデータの正確性・網羅性等の検証を行うことで、必要な監査手続を実施することができるようになり、監査人としての役割を全うできるということになります。

CAATsを実務で活用できる技能があれば、ビジネスモデルをデータに置き換えて考えることができるため、今後、どのようなビジネスモデルが生まれても、監査人として柔軟に対応できるようになります。

なお、ビジネスモデルをデータに置き換えて考えることができる技能は、監査人に限って必要な技能ではありません。何か自分に強みを持ちたいと思っているビジネスパーソンの方にもCAATsを実務で活用できる技能は有用であると考えます。

 

☆:日本銀行ホームぺージより引用(https://www.boj.or.jp/announcements/education/oshiete/kess/i25.htm/

※:CAATs ( Computer Assisted Audit Techniques, コンピュータ利用監査技法 )とは、監査人がコンピュータとデータ(IT)を利用して監査手続を実施する技法をいい、CAATsを利用して監査を行うということは、ITを活用して監査を行うことと同義になります。日本では、CAATと表記されることが多いのですが、海外では、複数形のsをつけたCAATsと表記されることが多く、ICAEA(International Computer Auditing Education Association)でもCAATsという言葉を採用しているため、当BlogとしてもCAATsという言葉を使用しています。

 

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CAATsとRPA・RDAについて

皆さん、こんにちは。

今回は、最近、話題になっているRPAとRDAについて、CAATsとの関連性に関する考察をお伝えしたいと思います。

RPA (Robotic Process Automation)とは、人間がPC操作によって行う、定型的もしくは反復的な作業を自動化する概念のことを言います。言い換えると、RPAはPCを使った事務作業を自動化するための技術と言えます。

これまで、人が行っていた作業をソフトウェアが代替するということで、Digital Laborともソフトウェアロボットとも言われています。

RPAとよく似た概念で、RDA (Robotic Desktop Automation)という言葉があります。RDAも定型的もしくは反復的な作業を自動化する技術のことをいいます。

RPAとRDAは、いずれも定型的もしくは反復的なPC作業特に高度なプログラミング知識がなくても簡単に設定できるという点では共通していますが、RPAは複数のアプリケーションを横断的に使用して一つの作業を完結する場合に適している一方、RDAは一つのアプリケーション内で作業を完結する場合に適しています。

これまでは、複数のアプリケーションの操作を有機的に結び付けて行う作業を自動化することが難しかったため、人がその作業を手作業で実施していましたが、RPAでは複数のアプリケーションの操作を一連の操作として簡単に登録して再実行できる機能を提供できるようになったことで、これまで人が行ってきた作業を自動化することができるようになってきました。

例えば、業務システムから特定の条件を設定してデータを所定のフォルダに所定の名前で保存し、EXCELで集計処理をしてレポート用のファイルを作成する作業や、PDF文書を読み込んで特定の箇所の文字をコピーして所定のEXCELファイルに貼り付けて表を完成させるといった作業等が自動化できます。特に専門的な判断やコミュニケーションが必要ない作業等はRPAを使うと自動化され、業務効率が飛躍的に向上します。

RDAはRPAと同様に事務処理の自動化を実現する技術ですが、対象となるアプリケーションが一つだけとなります。つまり、特定のアプリケーションで完結できる作業に適している技術といえます。

さて、監査という視点で考えた場合、RPAはどのように活用できるのかについて、考察してみます。

上述したとおり、「RPAは定型的もしくは反復的な作業を自動化できる」という点では、毎回使用する各種分析資料(期間比較表や月次推移表など)を自動作成するという作業に活かせる可能性はあります。ただ、それ以上のことは専門的な判断を伴う分析作業が主体となるため、作業の自動化というよりも、データを確認しながら条件を変えて分析をすることが通常であることから、監査にはRPAという技術はそぐわないと考えます。

また、データ分析は複数のアプリケーションを横断的に使用して一つの作業を完結するというよりも、分析しやすいアプリケーションを使用したほうが業務効率が高いため、RPAを利用する積極的な理由は見当たりません。

では、次に、監査において、どのようなRDAソフトウェアが最適かを考察してみます。

CAATsツール(ACL/IDEA)は、監査に特化したデータ分析ツールであり、高度なプログラミング知識がなくても簡単に作業の自動化ができることから、CAATsツール(ACL/IDEA)はRDAの一種といえます。

EXCELにも「マクロの記録」という機能があり、操作履歴を自動的に保存して、操作の再実行をすることができますが、実用的なレベルにするためにはVBA(Visual Basic for Applications:マイクロソフト製のMicrosoft Officeで実装されているプログラミング言語)でメンテナンスする必要があるため、ハードルが高いと言わざるを得ません。

一方で、CAATsツール(ACL/IDEA)には、操作履歴を自動的に保存する操作ログ機能があり、操作ログをスクリプトという簡易的なプログラムに簡単に変換でき、このスクリプトはプログラミングの知識がなくても簡単にメンテナンスが可能です。従いまして、監査においては、CAATsツール(ACL/IDEA)が最適なツールといえます。

RPA 、IoT 、FinTech など、様々な言葉が生まれては消え、また、生まれてきます。これからの監査人はそれぞれの概念や技術を自らの業務への影響を考えて研鑽を積んでいく必要がありますが、決して言葉に惑わされることなく、その本質を見極めて、身につけていくべき技能は何かを考えることが重要であると考えます。これからの監査人にとって、外せない技能はCAATsを実務で活用できる技能であり、この技能を身につけていれば、AIやロボットが幅広く社会に普及した時代になっても、AIやロボットを使いながら、自らの職務を全うできるようになると私は信じています。

 

※:CAATs (Computer Assisted Audit Techniques, コンピュータ利用監査技法)とは、監査人がコンピュータとデータ(IT)を利用して監査手続を実施する技法をいう。故に、CAATsを利用して監査を行うということは、ITを活用して監査を行うことと同義になります。日本では、CAATと表記されることが多いのですが、海外では、複数形のsをつけたCAATsと表記されることが多く、ICAEA(International Computer Auditing Education Association)でもCAATsという言葉を採用しているため、当BlogとしてもCAATsという言葉を使用しています。

 

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裁量労働制における不適切データについて

皆さん、こんにちは。

今回は、最近、話題になっている「働き方改革」関連法案の根拠とされていたデータに不適切と思われるデータがあったという点について、考察をお伝えしたいと思います。

安倍政権の肝煎りである「働き方改革」関連法案に含めた裁量労働制の対象拡大の根拠に疑義が生じており、関連法案の見送りなどが取りざたされています。今回の問題には、質問が同じレベルで行われなかったという点や、一般労働者の残業時間に不自然なデータが含まれていたという点などが指摘されています。

質問が同じレベルで行われていなかったという点については、今回の質問は、裁量労働制で働いている人に対して1日の平均時間を問いながら、一般労働者に対しては、1か月で最も残業の多い日の残業時間を聞いていたということが指摘されています。より実態に即したデータを収集するという観点からすると、質問先によって質問文を変えることに大きな違和感はありませんが、同じレベルのデータを収集できる質問になっていることが前提になります。今回の質問では、同じレベルのデータを収集できない可能性が高いことが問題視されており、結論ありきのデータ分析であると指摘されても無理はありません。

次に、データに不自然なデータが含まれているという点です。CAATs(※)では、まずは、入手したデータの信頼性を確認することが第一であり、大きな外れ値があった場合には、当該外れ値の内容を検討し、当該データを省いて残りのデータを使う、データを入手し直す等の検討を慎重に行うことが求められます。

分析結果の評価は、分析者もしくは分析を指示した人の判断に委ねられる部分が多く、恣意的にデータを作っていくこともできる場合があります。今回の分析結果が、結論ありきの分析であったかどうかは分かりませんが、CAATsでは、データ収集、データの信頼性の検討、データ分析、結果の評価という複数のプロセスで、それぞれのプロセスが適正に行われることが求められ、また、その実施過程の記録が求められます。今回のような事後的な調査を行う場合にも、実施過程の記録を検証することで、迅速に問題の所在を特定できる可能性が高いと考えます。このため、監査に限らず、今回のような法案の採否に関わるような重要なデータ分析や取締役会などで審議に使用する資料の作成など、企業の意思決定に影響を与えるような重要なデータ分析においても、CAATsは有効に活用できると考えます。

※:CAATs(Computer Assisted Audit Techniques, コンピュータ利用監査技法)とは、監査人が「コンピュータとデータ(以下、ITと表記)」を利用して監査手続を実施する技法をいう。故に、CAATsを利用して監査を行うということは、ITを活用して監査を行うことと同義になります。日本では、CAATと表記されることが多いのですが、海外では、複数形のsをつけたCAATsと表記されることが多く、ICAEA(International Computer Auditing Education Association)でもCAATsという言葉を採用しているため、当BlogとしてもCAATsという言葉を使用しています。

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監査人の技能再教育(リスキリング)

皆さん、こんにちは。

今回は、2月27日付の日経新聞電子版の下記の記事に関する考察をお伝えしたいと思います。

【AIと働き方(中) 多様なフリーランス台頭】

https://www.nikkei.com/article/DGXKZO27392740W8A220C1KE8000/

『AIと働き方(中) 多様なフリーランス台頭』(栄藤稔 大阪大学教授 経済教室 コラム(経済・政治)2018年2月27日日経新聞電子版(※1))に『日本政府が提唱している科学技術政策の基本方針(2016~20年度)である、「ソサエティー5.0」時代には、AIとロボティクスによる自動化が加速し、生き残っていける職種と雇用形態も変化していくこと』を予想され 、また、『キーワードは技能再教育(リスキリング)だ。これまでは一般に20歳前後まで教育を受け、その教育に基づいて就職先を決め、定年まで働いて一生を終える人が珍しくなかった。そのモデルが自動化が大きく進むソサエティー5.0の時代では成り立たなくなる公算が大きい。』と述べられていました。(ソサエティー5.0については、※2をご参照ください。

この記事で興味深いことは、職種と自動化の関係を、職業を構成する業務が知識労働か作業労働か、定型か非定型かで単純化して象限を4つに分けた考え方にあり、この関係がとても分かりやすい図になっています(参照記事より引用)。

ある特定の職種の中にも非定型業務、定型業務、知識労働、作業労働のいずれも含まれている場合があるため、単純に職種単位でこの4象限のどれか一つに当てはめることが難しい側面もありますが、考え方を整理するうえでは有用であると考えます。

もし、現在携わっている職種、もしくは、これから携わろうとしている職種が定型、非定型、知識労働、作業労働という4つの軸で整理してみた場合、どの軸に近いかを考え、上図でいう第Ⅲ限と第Ⅳ象限に属している割合が多いと考えるのであれば、職種を変えるか、あるいは、その職種の中でも非定型業務と知識労働の部分を担えるような技能を磨く努力を行っていく必要があります。

この努力は、個々人が取り組むべき課題であることに間違いはありませんが、この記事のキーワードである「技能再教育(リスキリング)」は、社会的にも対応していくべき課題であると私は考えます。

「監査」という職種は、4つの象限に当てはめた場合、現状ではいずれの象限にも業務が散らばっていますが、これからは第Ⅱ象限と第Ⅰ象限が中心になっていくものと思われます。つまり、人手不足が深刻な監査業界においては、監査人がAIを駆使して効率的かつ深度ある監査を実現することが求められるようになると考えられます。AIを駆使するためには、監査人にはデータ分析の素養が必須となります。すべての監査人にデータ分析の素養を身につけてもらえるような「技能再教育(リスキリング)」に私は貢献していきたいと考えています

※1:日経電子版の会員限定の記事ですが、会員登録をすることで閲覧できます(有料記事については、数量が限定されています)。

※2:サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)。狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く、新たな社会を指すもので、第5期科学技術基本計画において我が国が目指すべき未来社会の姿として初めて提唱されました( http://www8.cao.go.jp/cstp/society5_0/index.html )。

 

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AI時代のニューディール

皆さん、こんにちは。

今回は、2018年2月22日付の日経新聞電子版の下記の記事に関する考察をお伝えしたいと思います。

AI時代のニューディール

この記事(※1)の筆者であるグローバル・ビジネス・コラムニストのラナ・フォルーハーさんは、『最近参加したある会議では、米国の世界的大企業の経営者らが、数年以内に仕事の30~40%を技術で置き換えることができるとし、その方法について話し合っていた。その上で彼らは、その規模でのリストラを実施した場合の政治的な影響について思い悩んでいた。』とし、この潜在的な雇用危機を好機に変える根本的な解決策を提案しています。すなわち、『自動化によって置き換えられる仕事は多いが、顧客サービスやデータ分析など切実に人材を必要とする分野の仕事も多い。従業員を解雇せずに新しい仕事ができるよう再訓練すると約束した企業には、税制上の優遇を与えればいい。』という提案になっています。

この記事では、AIが普及することで、労働市場においても格差が拡がるという可能性に警鐘を鳴らしています。

監査の世界でも『雇用の未来』 という論文(※2)において、「Accountants and Auditors」という職業の94%がAIやロボット等に置き換わるという刺激的な研究報告があるように、監査でも単調な仕事の部分は、AI等に置き換わっていくでしょう。

ただ、監査の本質は、監査テーマ(リスク・課題)から不正・誤謬等に関する仮説を設定して監査手続を立案し、監査手続に必要なデータを特定して、そのデータを使って監査手続を実施し、結果を評価するという仕事であり、決して単調な仕事ではないと私は考えています。

したがって、これからの監査人は、仮説立案技能、データ処理・分析技能、報告技能という3つの技能を高いレベルで身につける必要があるのです。逆説的な言い方をすると、これらの技能を身につけなければ、監査人として生き残っていけない時代になってきているのではないでしょうか。

※1:日経電子版の会員限定の記事ですが、会員登録をすることで閲覧できます(有料記事については、数量が限定されています)。
※2:Published by the Oxford Martin Programme on Technology and Employment, 2013

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Blogを始めた理由

皆さん、こんにちは。

この度、Blogを始めることになった弓塲啓司と申します。私は1992年に公認会計士2次試験(当時)に合格し、監査業界に入りました。この業界に入ってからすぐに監査先からデータを入手して監査手続を実施するというコンピューター利用監査技法( Computer Assisted Audit Techniques = CAATs )に携わり、現在に至っています。たまたま配属された監査チームの先輩がパソコンを使って監査をしようという会計士で、会社を担当していた代表社員もそれを温かく見守ってくれていたため、私も自然とパソコンで監査をすることに入っていけました。

最初は、単純に合計チェックをしたり、残高確認書の送付先をランダム抽出したりして喜んでいました。

それから、何時間もかけて手で作成していた月次推移表を、各担当者がボタンを押せば担当科目の月次推移表が画面で照会できるようにしたり、印刷できるようにしたりと、特に手続実施の効率性を高めることを中心にCAATsを活用していましたが、金融機関の未収利息や貸倒実績率の再計算などをする頃から、手ではできない手続を実施することで、CAATsを監査品質の向上につながる技法として活用するようになりました。

この頃から、CAATsをもっと普及させたいと思うようになり、2017年9月に一般社団法人 国際コンピュータ利用監査教育協会(ICAEA JAPAN)を立ち上げました

これまで私が20年以上にわたって培ってきたCAATsに関する知識・スキルをBlogやICAEA JAPANのサービス等を通じて、できるだけ体系立てて皆さんにお伝えしたいと思います。

Blogの更新タイミングは、出来るだけ定期的に発信していくように努力をしますので、皆様、乞うご期待!

CAATsの定義

このBlogではCAATs(Computer Assisted Audit Techniques, コンピューター利用監査技法)の定義を監査人がコンピュータとデータ(IT)を利用して監査手続を実施する技法と定義しています。

したがって、CAATsを利用して監査を行うということは、ITを利用して監査を行うことと同義になります。

ここで重要なポイントは、CAATsは「ITを利用した監査技法」であって、ACLやIDEAといったCAATsツールを意味するのではないということです。

因みに、日本では、CAATと表記されることが多いのですが、海外では、複数形のsをつけたCAATsと表記されることが多く、ICAEA(International Computer Auditing Education Association)でもCAATsという言葉を採用しているため、ICAEA JAPANとしてもCAATsという言葉を使用しています。従いまして、当BlogでもCAATsと表記します。